デュアルCTシステムで安全にかつ精密に
従来型の歯科医院ではパノラマレントゲンを経験を基に診断していました。当然、あいまいな部分が多いので事故も起こりやすかったのですが、近年では小さな歯科医院にも入る小型のCTが発達してきました。当院でもCTをいち早く導入し、診断に役立てています。しかも、通常の歯科医院ではあり得ない2つのCTを使い分けています。Galileos CTは全体を複雑細かに診断することができ、またトロフィーパンCT装置は被曝線量がごくわずかとしても知られており、体の負担を心配せずに診断していただけます。一回の撮影で5〜14マイクロシーベルトときわめて微量で安全です。1年間に私たちが自然界から浴びる放射線量が1000マイクロシーベルト以上と言われています。私たちの体はある程度の放射線によるダメージから治癒できる能力をもともと備えております。そのため5〜14マイクロシーベルトの微量な放射線は人体への負担はほとんどかかりません。
また、ガリレオス導入によりセレックとリンクしてより確実な診断ができるセレックミーツガリレオスにも対応しました。
セレックミーツガリレオスの情報はこちら
事前の相談や検査以外にも術後の診査にも使えます。骨造成を行ったケースなどでは、造骨組織もCTにうつるので、しっかり骨になっていくさまも経過観察することができます。
下顎のインプラント治療のリスク
下顎のインプラント治療は実は危険なリスクを伴います。イラストでも説明しておりますのでご覧ください。骨が豊富な場合リスクはほとんどありません。(インプラント経験の浅いドクターでも問題なく治療できます。)ですが、骨の吸収が激しいケースでは、角度がわずかにずれるだけで、危険なエリアへドリルが侵入してしまいます。
ハイリスクエリア①とは
下顎の骨の中には下歯槽管神経と呼ばれる感覚をつかさどる神経が走行しています。ここが傷つくと最悪の場合一生下唇の感覚がなくなってしまいます。いわゆるインプラント治療で麻痺が生じてしまうとはここを傷つけてしまったケースがほとんどです。
ハイリスクエリア②とは
下顎の内側には動脈や神経が走行しています。このため骨の舌側の骨をドリルで突き破ってドリルが危険なエリアに突入してしまうと、ドリルで動脈を傷つけて、のどの奥に大量に出血をさせて最悪の場合、気道を圧迫して呼吸困難を伴い死に至るケースがあります。近年世界で起こっている(日本でも一例確認されています)インプラント治療による死亡事故はこの部位の動脈の損傷によるものです。
低被曝線量型CTを活かした施術
シビアなケースでは勘に頼ることなく、CTやGBRを併用して安全に確実な手術を行っております。
オペ中にCTを活用することもあります。このCT画像のように危険エリアを避けるようにしています。このCT画像は偶然この瞬間を撮影したものではなく、オペ中、確認のためCT撮影しております(オペ中に行うケースはシビアな時のみです)これも、低被曝線量CTを歯科医院に併設しているというメリットといえます。何度もCT撮影で被曝が心配な方もいらっしゃると思います。ですが、当院のCTの被曝線量は200回撮影してやっと医科用の大型CT1回分の被曝線量です。3回でようやく昔の歯科用のレントゲンと同じ被曝線量ですので、被曝によるリスクはきわめて少ないです。
見事に神経を回避し、舌側の骨の手前でドリルを停止しております。